Bさんお弁当のおかずをあたためたら、ごはんは熱いのに、からあげの真ん中がまだ冷たい。もう一回まわすと、今度はふちがカチカチ…
Aさんひき肉を解凍すると、まわりだけ色が変わって、真ん中は凍ったまま。結局、半分煮えたお肉で作ることになるのよね。
電子レンジの不満は、つきつめると「ムラ」です。熱いところと冷たいところができる、解凍すると端だけ煮える。毎日使う家電なので、小さな不満が毎日くり返されます。
東芝が2026年10月27日に発表した単機能レンジ「ER-WM01C」は、このムラに正面から取り組んだ1台です。新ブランド「WarM(ウォーム)」の最初の製品で、12月に発売されます。
- 業界初の加熱方式:上からは半導体、下からはマグネトロンでマイクロ波を当てる。半導体発振は、国内の家庭用電子レンジで初めて
- 極み解凍:ひき肉100gを約1分30秒で解凍(2024年度の単機能レンジER-S10Aは約3分30秒)
- 2つのセンサー:食品の表面温度を見る「64眼赤外線センサー」と、跳ね返るマイクロ波を測る「あたためバランスセンサー」
- 自動あたため:ごはんとおかずの2品を同時に。市販の冷凍食品は時間を設定せずに
※業界初は2026年10月27日現在、国内家庭用電子レンジにおいて。半導体発振を使う加熱は「すごラクあたため」「市販の冷凍食品あたため」「極み解凍」のみ。出典:東芝ライフスタイル ニュースリリース(2026年10月27日)より
しかく博士(工学)・主婦歴30年のしかくです。半導体でマイクロ波を出すと、なぜムラが減るのか。電子レンジの中で起きていることから、順に説明します
電子レンジのあたためで困る3つのこと

単機能レンジは、あたためと解凍だけのシンプルな家電です。そのぶん、毎日の不満も同じところに集まります。
1. 熱いところと冷たいところができる
お皿のふちは熱いのに、真ん中が冷たい。量の多いおかずほど、ムラが出やすくなります。冷たいところに合わせて時間を足すと、熱いところはさらに熱くなります。
2. 解凍すると端だけ煮える
冷凍したひき肉や切り身は、まわりだけ色が変わって、真ん中は凍ったまま、ということがよくあります。煮えた部分は、料理に使うと食感が変わります。
3. 温度のちがう2品を一度にあたためにくい
冷蔵のごはんと冷凍のおかず、のように温度のちがうものを並べると、どちらかに合わせるしかありません。冷凍食品は、袋の表示を見て時間を合わせる手間もあります。
東芝のWeb調査(2025年6月・単機能レンジを持っている1,698人)でも、高価格帯の単機能レンジを使う人ほど、センサーで加熱・解凍のムラを減らすことと、時短を重視する傾向がありました。
しかくER-WM01Cは、1と2を半導体発振を使った新しい加熱方式と極み解凍、3を2つのセンサーとすごラクあたためで受け止めています
業界初の半導体発振|上と下からマイクロ波

ER-WM01Cは、上からは半導体、下からはマグネトロンでマイクロ波を当てます。半導体でマイクロ波を出す技術は、業務用の解凍機などで使われてきたもので、国内の家庭用電子レンジに使われるのは初めてです。
- マグネトロン(下から):これまでの電子レンジにも入っている、マイクロ波を出す部品。一度にたくさんのマイクロ波を出せるので、食品を早く温められる
- 半導体(上から):周波数を精密に制御できる。東芝は「加熱集中を避け加熱ムラを抑えることができます」と説明している
- 使うメニュー:半導体発振を使うのは「すごラクあたため」「市販の冷凍食品あたため」「極み解凍(全解凍・半解凍)」。それ以外(W数を選ぶ手動のあたためなど)はマグネトロンで加熱する
※出典:東芝ライフスタイル ニュースリリース(2026年10月27日)より
ムラの正体は、庫内にできる「強いところ」と「弱いところ」
電子レンジの庫内は金属の箱です。中に出したマイクロ波は壁で跳ね返り、行きと帰りの波が重なります。すると、波が重なって強くなる場所と、打ち消されて弱くなる場所が庫内に並びます。強いところにある食品はよく温まり、弱いところは温まりにくい。これがムラの正体です。
- 波の長さ:家庭用の電子レンジのマイクロ波(2,450MHz前後)は、空気中で波1つが約12cm。強いところは、その半分の約6cmおきに並ぶ計算になる
- これまでの工夫:ターンテーブルで食品を回す、庫内でアンテナを回すなどして、強いところと弱いところを動かしてきた
- 周波数を変えると:波の長さが変わるので、強いところと弱いところの並び方そのものが変わる。マグネトロンは周波数を細かく選べないが、半導体なら決まった幅の中で精密に選べる
※波の長さは光の速さ(約30万km/秒)÷2,450MHzで計算した目安。庫内の波の並び方は、庫内の形や食品の量・置き場所でも変わります
しかく下のマグネトロンは、たくさんのマイクロ波で一気に温める役。上の半導体は、マイクロ波の当て方を細かく変えて、熱いところと冷たいところができないように調整する役です
\いま買える東芝の単機能レンジ|ER-S10A/
極み解凍|ひき肉100gを約1分30秒

半導体発振を使う「極み解凍」は、短い時間で、解凍ムラを抑えることをねらった機能です。
- ひき肉100g:ER-WM01Cの「極み解凍」で約1分30秒。2024年度の単機能レンジER-S10Aの「解凍」は約3分30秒
- 2つのコース:すぐ使えるまで溶かす「全解凍」と、包丁が入る程度にとどめる「半解凍」
- 仕上がり:食品の種類や状態によって異なる
※解凍時間は東芝の比較。出典:東芝ライフスタイル ニュースリリース(2026年10月27日)より
解凍で端が煮えるのは、溶けたところにマイクロ波が集まるから
凍った食品の中の水は氷です。氷はマイクロ波をほとんど吸収せず、溶けて水になると、とたんによく吸収します。
- 薄い端やふちが、先に少しだけ溶ける
- 溶けたところがマイクロ波をよく吸収して、さらに温まる
- 端は煮え始めるのに、真ん中の氷はまだ溶けない
これまでの解凍は、出力を200Wや100Wに下げて、熱が中まで伝わるのを待つことで、この偏りをやわらげてきました。そのぶん時間がかかります。ER-WM01Cは、半導体でマイクロ波の当たり方を細かく変え、熱が1か所に集中しないようにすることで、時間を短くしながら解凍ムラを抑えるとしています。
しかく解凍の待ち時間が2分短くなると、「帰ってから冷凍のお肉で1品」が現実的になります。朝に冷蔵庫へ移し忘れた日の、強い味方です
2つのセンサーと自動あたため

マイクロ波の当て方を変えられても、どこが冷たいかがわからなければ調整できません。ER-WM01Cは、見るセンサーを2つ持っています。
- 64眼赤外線センサー:食品の表面の温度をきめ細かく測る(ER-S10Aは8つ目赤外線センサー)
- あたためバランスセンサー(新搭載):食品から跳ね返るマイクロ波を測り、冷たい部分にもマイクロ波が届くよう加熱を調整する
赤外線センサーが見ているのは表面の温度です。跳ね返ってくるマイクロ波の量は、食品がどれだけマイクロ波を吸っているかの手がかりになります。外から見た温度と、マイクロ波の吸われ方の両方を使って、加熱を決めるしくみです。
自動あたためのメニュー
- すごラクあたため:ごはん・おかず・2品をワンタッチで。種類や温度のちがう2品を同時にあたためられる
- 市販の冷凍食品あたため:時間を設定しなくても、市販の冷凍食品を自動であたためる専用コース
- そのほか:牛乳・ゆで野菜(葉菜・根菜)、お好み温度(-10〜90℃・5℃単位)
※出典:東芝ライフスタイル ニュースリリース(2026年10月27日)より
しかく冷蔵のごはんと冷凍のおかずを一緒に入れて、ボタンは1回。お弁当や作り置きを毎日あたためるご家庭ほど、ムラの少なさの差を感じやすくなります
ER-S10Aからの変更点

東芝がリリースで比べている2024年度の単機能レンジ「ER-S10A」と並べます。出力や年間消費電力量は同じでも、マイクロ波の出し方と、それを決めるセンサーが新しくなりました。
| 項目 | ER-WM01C(新) | ER-S10A(2024年度) |
|---|---|---|
| マイクロ波の出し方 | 上から半導体+下からマグネトロン(半導体は一部メニュー) | マグネトロン |
| センサー | 64眼赤外線センサー+あたためバランスセンサー | 8つ目赤外線センサー |
| ひき肉100gの解凍 | 約1分30秒(極み解凍) | 約3分30秒(解凍) |
| 自動メニュー | 2品同時・市販の冷凍食品あたため ほか | あたため・牛乳・解凍 ほか |
| 総庫内容量 | 21L | 23L |
| 外形寸法(幅×奥行×高さ) | 46.8×40.7×34.9cm | 46.8×38.6×33.8cm |
| レンジ出力 | 1,000W(最大2分)・600W・500W・200W・100W | 1,000W(最大2分)・600W・500W・200W相当 |
| 年間消費電力量 | 60.1kWh/年 | 60.1kWh/年 |
| 庫内 | とれちゃうコート(側面・奥面) | 庫内よごれプロテクト |
| 色 | ブラック | ミルキーホワイト |
※出典:東芝ライフスタイル ニュースリリース(2026年10月27日)・ER-S10Aは販売店の製品情報(2024年10月中旬発売)より。1,000Wは最大2分で、その後600Wに切り替わります
しかく数字だけ見ると、出力も電気代もほぼ同じ2台です。でも、マイクロ波をどこに、どう当てるかという、仕様表に表れにくいところが変わりました。解凍時間の差は、そこから生まれています
ER-WM01Cのスペック

| 項目 | ER-WM01C |
|---|---|
| 発売 | 2026年12月 |
| ブランド | WarM(ウォーム) |
| 本体色 | ブラック(K) |
| 高周波出力方式 | マグネトロン、半導体(一部メニューのみ) |
| レンジ出力 | 1,000W(最大2分)/600W/500W/200W/100W |
| 消費電力 | 1,400W |
| 年間消費電力量 | 60.1kWh/年 |
| 総庫内容量 | 21L |
| 庫内有効寸法(幅×奥行×高さ) | 36.8×31.0×18.0cm |
| 外形寸法(幅×奥行×高さ) | 46.8×40.7×34.9cm |
| センサー | 64眼赤外線センサー、あたためバランスセンサー |
| 自動メニュー | すごラクあたため(ごはん・おかず・2品)、極み全解凍・半解凍、市販の冷凍食品あたため、牛乳、ゆで野菜(葉菜・根菜) |
| お好み温度 | -10〜90℃(5℃単位) |
| 操作・表示 | 静電タッチパネル、LED表示 |
| 設置 | 左右・背面ピッタリ設置可、上方10cm以上 |
※総庫内容量はJIS規定に基づく算出値。定格連続出力は600W。熱に弱い壁や家具、コンセントの近くでは表示以上にすき間をあけ、背面がガラスの場合は20cm以上あけてください。出典:東芝ライフスタイル ニュースリリース(2026年10月27日)より
扉に取っ手のないハンドルレスのフラットなデザインで、左右と背面は壁にぴったり寄せて置けます。庫内の側面と奥面には、汚れがこびりつきにくく拭き取りやすい「とれちゃうコート」を使っています。
容量・ヘルツ・庫内の形から、単機能レンジの選び方をまとめています。
発売時期と、いま買うなら

ER-WM01Cの発売は2026年12月で、価格はオープン価格です。発表日の2026年10月27日に調べた時点では、販売店の予約ページは見つかりませんでした。
| こんなとき | 選ぶ機種 |
|---|---|
| 12月まで待てる・解凍ムラと時間をいちばん減らしたい | ER-WM01C(12月発売) |
| いまのレンジがこわれた・すぐに必要 | ER-S10A(いま買える東芝の単機能レンジ・23L) |
販売店で取り扱いが始まったら、この記事にリンクを追加します。
\いますぐ必要なら|東芝 ER-S10A(23L)/
ER-WM01Cのよくある質問 Q&A

半導体発振とは何ですか?
半導体の部品でマイクロ波を作る方法です。これまでの電子レンジはマグネトロンという真空管でマイクロ波を作っていました。半導体は周波数を精密に制御できるので、庫内でマイクロ波が強く当たる場所を変えて、加熱が1か所に集まるのを避けられます。ER-WM01Cは上から半導体、下からマグネトロンでマイクロ波を当てます。
すべてのあたためで半導体を使いますか?
いいえ。半導体発振を使うのは「すごラクあたため」「市販の冷凍食品あたため」「極み解凍(全解凍・半解凍)」です。W数を選んで手動であたためるときは、マグネトロンで加熱します。
解凍はどのくらい速くなりましたか?
ひき肉100gで、ER-WM01Cの「極み解凍」は約1分30秒、2024年度の単機能レンジER-S10Aの「解凍」は約3分30秒です(東芝の比較)。仕上がりは食品の種類や状態によって異なります。
電気代は高くなりますか?
年間消費電力量は60.1kWh/年で、ER-S10Aと同じです。31円/kWhで計算すると、1年で約1,860円の目安です。
いつ買えますか?
2026年12月発売で、価格はオープン価格です。いますぐ単機能レンジが必要なら、東芝のER-S10A(23L)がいま買える機種です。
まとめ|東芝 ER-WM01C はこんな1台

- 加熱方式:上から半導体、下からマグネトロン。国内の家庭用電子レンジで初めて半導体発振を使う
- ムラを減らすしくみ:周波数を精密に変えて、庫内の強いところと弱いところを動かす
- 解凍:ひき肉100gを約1分30秒(ER-S10Aは約3分30秒)
- センサーと自動あたため:64眼赤外線+あたためバランスセンサー。2品同時・市販の冷凍食品も自動
こんな方におすすめ
- お弁当や作り置きを、毎日レンジであたためる方
- 冷凍したお肉や魚を、帰ってから解凍して使う方
- オーブン機能はいらないので、あたためと解凍をいちばんよくしたい方
しかく単機能レンジは「あたためるだけ」と思われがちです。ER-WM01Cは、その「あたためるだけ」を、マイクロ波の出し方から作り直した1台です。12月の発売が楽しみです



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