やってしまった

さんかくんは、昨晩熱があがる。

「病院へ連れていこうかなあ。どうしようかなあ。」

今日の会社での仕事を考えると、本当は会社へ行きたい。朝からビッチリ働き詰めでやっと終わるスケジューリング。旦那も今日は休めないらしい。

仕方がない、私の母を呼んで、その間に病院へいこう。

色々、頭の中で思い巡らせていると、まるちゃんが言う。

「さんかくんも保育園に連れていくでしょ?」

「なんで?」

「だって、まるがお熱のときも保育園に言ってるもん。」

ここのところ、まるちゃんはすっかり丈夫になり、風邪すらひかない。もちろん、熱もでない。でも、さんかくんはしょっちゅう熱を出すので、それがうらやましいのだ。

以前、「まる熱があるような気がする。」とおでこを突き出してきた。

熱なんかないんだけど「ほんとだ!」と、言って冷えぴた貼って、「今日は早く寝なさい。」と言ったことがあった。

次の日は、熱は全然ないので、当然保育園に行く。どうやら、その時の自分とさんかくんを比較しているらしい。

「まるのときも保育園に行ったんだから、さんかくんも行くんだよね。」

「さんかくんは病院へ行くよ。」

「じゃあ、まるも病院へ行く。」

「まるは保育園に行くんでしょ。」

「なんで、さんかくんばっかりそんなに心配するの?まるのことはちっとも心配してくれない。ママはさんかくんがかわいいんでしょ」

と、大粒の涙を流す。

まるちゃんの気持ちは痛いほどわかっていた。だけど、ほんとは、すぐにでも会社に行ってやりたいことが山ほどあるのに、それをあきらめて病院に連れていくというのに、側で、泣かれると、段々イライラしてきた。

私の中で、何かがプチンと切れた。

「じゃあ、まるちゃんは一人で保育園に行きなさい。ママは、さんかくんを連れて病院へ行くから。」

まるちゃんは、もっと大粒の涙がこぼれる。

あ~、やってしまった。

「ママ、ごめんね。まる悪い子でごめんね。一緒に保育園に行ってくれる?」

まるちゃん何度も何度も謝る。

謝らなくてはいけないのは、こっちの方なのに・・・。まるちゃんはただ、ママが自分に向いてくれなくて、嫉妬を焼いていただけだったのに。

心に傷をつけてしまったかもしれない。まるちゃんは、ちっとも悪い子じゃないんだよ。悪いママでごめんなさい。

2002.10.22

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